ゆる~く、「イニシエーション・ラブ」紹介・感想
こんにちは、ちのーどです。
どんでん返しもののミステリー小説や、こちらもみていてドキドキするような恋愛小説が好物で、
最近は、Instagramや他のブログでよく紹介されている小説に手を出しています。
今回は、よくどんでん返しで紹介されている、有名な恋愛小説である**「イニシエーション・ラブ」(著:乾くるみ)**を紹介しようと思います。
リアルな恋愛を求めている、ミステリー小説のようなどんでん返しを求めている方はぜひ、読んでみてください!!
どんでん返しがあると分かっていても、どう転がっていくのか想像がつきません!
本の概要
作品名:イニシエーション・ラブ
著者名:乾くるみ(いぬいくるみ)
出版社:文藝春秋
発行日:2004年4月1日
この本は、乾くるみさんが手掛けたタロウシリーズの一作です。
ジャンルは恋愛ものですが、じっくり読むと巧妙なトリックが仕掛けてあり、引用の通り、最後の二行で展開が大きく変わると話題をよんだミステリー小説でもあります。
僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。
この本は、side-Aとside-Bのように二部構成になっています。
前半のside-Aでは、
大学生である主人公の僕「鈴木」が、合コンの代役として呼ばれ、そこで出会う「マユ」という女性に出会い、恋に落ちていく過程が描かれます。
後半のside-Bでは、
社会人になって働き出した「鈴木」のその後が描かれています。
side-Aでは、悶えそうになるぐらいの甘い恋愛模様が楽しめ、side-Bでは、社会人になったがゆえの恋愛の難しさ、生々しさが味わえました。
ゆる~く感想(※若干のネタバレ有り、読んでいない人はbackをおすすめします!)
最後まで読んでみて、散々どんでん返しだの、最後の二行で~と言われていますが、
本当にその通りでまんまと著者のトリックに引っ掛かっていました。
最後の二行で、私の頭の中は「?????」でした。
ここまで、混乱したのは「殺戮にいたる病」(著:我孫子武丸)ぶりです…。(※この本も、もの凄いどんでん返しです)
確かに、所々おかしいな…という点はたくさんありました。
最後のページなんて違和感満載ですが、勝手に自分の中で筋書きを描いてしまっているのですよね…。
混乱した頭で、小説付属の解説を兼ねた用語集を読み、もう一度軽く本書を読み直しました。
そして、やっとこの小説のトリックに気づくことができました…!
あと、思ったのが恋愛小説なので、致す描写が出てきますが、結構生々しいと思ったら著者の「乾くるみさん」、名前で女性だと思っていましたが、男性と知って納得しました。(「東野圭吾さん」らと同様男性著者が手掛ける描写に似ていた)
・舞台
この小説は、80年代後半の恋愛を描いているので、現代とはかなりギャップがあります。
国鉄からJRのお話とか、昔はスマートフォンもなく連絡手段は固定電話、テレフォンカードの残り算数など。
他にも、登場人物が話している本やテレビの話やそのときに流行った曲もその当時のモノが多く登場します。
鈴木がマユに貸し出す新書「十角館の殺人」(著:綾辻行人)は、私もこの間読んだばかりで知っていたので、こんなにも80年代後半の日本がリアルに描かれていることに驚きました。(これも面白いです)
「木綿のハンカチーフ」という曲も恋愛漫画や小説でよく出てきますが、時代と共に恋愛の儚さを痛感しますね…。
私は読んでいて、知らない番組や曲も多く出てきましたが、もしその年代を生きていた方ならより楽しめそうだなと思いました。しかし、その年代の方が読めば、この小説のトリックが気づきやすくなってしまうかもです。
・ツッコみたいところ
というか、この小説のツッコみたいところは多々あります。
まず女性視点から言うと、誰もが鈴木は最低と感じるでしょう。
「鈴木」は真面目な印象で登場するので、最初の致す描写のときにまじかよ…という悲しい気持ちになりました。多分、この辺は時代の違いもあるのかなとは思います。
また、社会人の「鈴木」はえらい、オシャレに気を遣うようになって、態度も大きくなり、他の女にも手を出す…。やっぱり、鈴木は最低か…。遠距離恋愛は、難しいからまあ仕方がないのかな…。
今と違って、LINEもないから難しい問題だと感じます。
また「マユ」が「鈴木」のことを「たっくん」と呼ぶのですが、初見のときになぜそうなったと感じました笑
・感想まとめ
ツッコみたいところも多いですが、それでもこの小説は二回読むと面白さが倍増します…!
じゃああそこはどう繋がるのかという伏線探しなど答え合わせが非常に楽しかったです。
(個人的にマユの子や指輪について色々探りまわりました。)
もうちょい、マユの心理描写があればいいなあとは思いました。
マユに対する「鈴木の気持ち」と「読者の気持ち」との違いがこの本の醍醐味だと思います。
読んでいただきありがとうございました!